ホタテ貝とは
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1.「ホタテ」の名の由来 |
ホタテは世界に約300種もあるそうです。
●英語では「scallop(スカロップ)」
●中国では「海扇」(殻の形が扇に似ているから)等
●日本にいるホタテは「帆立」といいます(書きます)。
帆立は”あわび”とかの1枚貝ではなく2枚貝で
白い貝(下部)と茶色の貝(上部)からなります。
名前の由来は、江戸時代といわれます。
和漢三才図会という本に次のような文が載っております。
「〜殻の一枚は船のようで、もう一枚は帆のようにし、
まるで風に乗って走る帆船のようである。」(簡略)
このことから帆立貝と呼ばれるようになったそうです。 |
2.生息地 |
ホタテは冷水性で寒いところにいます。
日本では東北地方、北海道が主な生息地です。
天然のホタテは水深10〜30mの砂礫底に生息します。
養殖のホタテは、プランクトンが豊富で、波が穏やかな所(湾内)が
生息適地です。
日本以外ではアジア極東地域と北米大陸の太平洋岸・大西洋側、
ヨーロッパの大西洋岸、南米大陸の太平洋岸、オーストラリア、
ニュージーランド周辺などにもいます。
北海道、青森(むつ湾)、岩手・宮城(三陸海岸)が主な生息地です。 |
3.水温は5度〜19度の水温を好む |
ホタテ貝は水温マイナス2度〜22度なら生きていけます。
5度〜19度の水温を好みます。
高温が苦手で水温20度を越えると成長がストップし、
22度を越えると死亡率があがります。
赤ちゃんホタテ(稚貝)の方が大人ホタテに比べ
高温には若干4度位強いそうです。
夏場の高水温はホタテの生産量に大きく影響を与えています。 |
4.生育の過程 |
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生後4ヵ月
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生後8ヵ月
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生後1年(左) 生後2年(右)
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5.雄と雌の見分けかた |
生殖巣の色の違いで雄と雌を区分します。
雄(精巣)は黄白色をしていて雌(卵巣)はオレンジ色です。
文献を調べると生まれた頃はすべて雄なそうですが、
2年位たつとその半分が性転換し、雌になるそうです。
貝柱しか見た(食べた)ことがない方、
今度気をつけて見て食べてください!
その味のほうは意識して食べたことがないので
わかりませんが変わらないと思います。 |
6.美味しい時期は |
養殖ホタテの場合、1年中食べられ何月のホタテが
特に美味しいとかはありません。
夏場の7月・8月は肉厚がやや大きくなり、
美味しさの源グリコーゲンが増えて
美味しくなると言われています。
白子を好きな方は産卵前の冬場2月・3月が
肥大しますので食べ応えがあります。 |
7.帆立1個にタウリン1000mg以上含まれています |
蛋白質の他、カルシウム・ビタミン・鉄分・タウリン等
実に多くのミネラル分があります。
低カロリーのうえ、たいへん栄養豊富な食材なのです。
特にタウリンは生活習慣病
(現代の死亡原因の7割を占めるといわれている)
といわれるガン・心臓病・高血圧・糖尿病に特に有効と
言われどこかの栄養ドリンクにも大きくタウリン○mg配合
とか大きく表示されている程です。
タウリンは1日約500mg摂取すればいいそうですが、
帆立1個に1000mg以上含まれていますから
毎日1個づつ食べれば十分なのです。 |
8.ホタテの敵からの防護は |
ホタテを含む貝類の天敵はヒトデ、タコなどですが、
これらに対しアサリは砂にもぐることで防護します。
カキは殻をしっかり閉じることで防護します。
そしてホタテは泳いで逃げることで身を守っています。
ホタテの泳ぎ方は、大きな貝柱(筋肉)を収縮・伸張をすることにより、
海水を吸水し、排水部から噴射し泳ぎます。 |
9.ホタテの貝殻の利用方法 |
<家庭用>
食べ終わったホタテの貝殻は”天然のお皿”として使えます。
食材の他に小物等を置けばちょっとしたアクセサリー皿になります。
またガーデニングや家庭菜園をされてる方は貝殻
(炭酸カルシウムが主成分)を細かく砕き土に混ぜ合わせれば
肥料としてまた土の酸性化予防材として使えます。
<産業用>
ホタテの貝殻には驚異のパワー
(化学物質軽減・分解、抗菌、消臭、防虫など)があることが
判明され、いろんな製品が開発されてます。 |
10.活ホタテをできるだけ生かしておくには |
ホタテの鮮度保持には<温度>と
<乾燥防止>がポイントとなります。
温度は10度前後(5〜15度)がいいようです。
夏場でないかぎり冷蔵庫(ちょっと寒すぎ)より
屋外等の方がいいと思います。
乾燥防止対策としては、タオルに水を浸し
ホタテ貝にかぶせる(覆う)ようにすればOKです。
<冷蔵庫内はすぐ乾燥するので注意が必要です!> |
11.養殖ホタテと天然ホタテはどっちが美味しい |
養殖物と天然物と言ったら一般に”天然物”の方が
美味しいというイメージがありますが、
ホタテに関して言えばNOではないでしょうか!?
天然物は大きくなるのに4年以上かかります。
年のせいか運動のし過ぎか・・・・
などで肉(貝柱)が堅くなります。
味の方も今ひとつのような気がします。
養殖ホタテは衣食住が万全ですからエリートコースに
乗って所定目標(食用)に一直線で行けるわけです。
一方天然ホタテは、敵と戦いながら苦労して
鈍行コースでただ生きていくわけです。 |
12.養殖の方法は |
帆立の養殖には「地巻方式」と「垂下方式」があります。
「地巻方式」は海底に稚貝をまいて天然の環境に近づけて大きくする方式です。
地形等の環境が良いところでないとできません。
また海底の砂が貝の内部に残っているのが難点です。
洗浄等の必要があるためか加工用に使われているようです。
垂下方式」は貝の耳に糸をつけて吊るして大きくする方式で、
養殖のほとんどがこの方式です!
垂下方式の方が外敵からの攻撃もなく安全で成長が早いです。
どこに吊るしても成長が良いわけではありません。
吊るし方、吊るす場所・深さ、吊るすタイミングなどの
それなりの技術があります。
これを間違えると全滅することもあるのです! |